スポーツ障害・外傷
スポーツ障害・スポーツ外傷
スポーツによる障害や外傷は、筋肉痛、捻挫、肉離れ、腰痛、つき指、野球肘、テニス肘、ゴルフ肘などがあります。
当院ではスポーツによる障害や外傷の相談をいつでも承っております。
筋肉痛
急激に筋肉(骨格筋)が収縮した結果、筋膜や筋線維の一部が損傷することを言います。
筋肉痛は最もよくある症状の一つですが、重度のものから軽度のものまで様々ありますが、重度のものは肉離れや筋挫傷になる可能性が高くなります。
スポーツ選手が重度の肉離れになると、競技復帰まで時間がかかることもありますので、早めの対処で未然に防ぐことが必要になります。
原因
自家筋力の強力な筋収縮により筋肉の部分断裂がおこります。
発生要因として、筋肉の疲労、過去の損傷、ウォーミングアップの不足、筋力のアンバランスなどが考えられます。
治療法
通常は筋線維とその周りの結合組織の回復過程が終息するに伴い、筋肉痛も自然に解消の方向に進みます。
痛みを和らげる方法としては、安静にする・入浴などで筋肉を温めるといった「消極的休息」のほか、軽度の運動やストレッチングなどで血行をよくする「積極的休息」があります。
疲労骨折
一度では骨折に至らない程度の力が、骨の同一部位に繰り返し加わることにより発生する骨折のことをいいます。
原因
同じ骨に何回も同じ負荷が加わり、しまいに骨や骨膜に損傷を起こしたものを言います。
レントゲンでは痛みが出現して2週間以降にならないと診断ができません。
代表時なものとして、足の甲やスネ(シンスプリント)、肘の内側部(投球による剥離骨折)、ゴルフによる肋骨骨折などがあります。
治療法
患部に負荷を与えず、骨のヒビを自然治癒することです。
疲労骨折の場合は、薬物治療や手術をすることはほとんどありません。
肉離れ(捻挫、打撲)
急激に筋肉(骨格筋)が収縮した結果、筋膜や筋線維の一部が損傷することを言います。
急な運動が身体の負担になり、筋肉に力が入っているときに、強制的に引き伸ばされることで肉離れ、関節の運動許容範囲を超えることで捻挫は起きます。また、肉の繊維が断裂し、内出血を起こすと打撲(打ち身)となります。
原因
自家筋力の強力な筋収縮により筋肉の部分断裂がおこります。
発生要因として、筋肉の疲労、過去の損傷、ウォーミングアップの不足、筋力のアンバランスなどが考えられる。
治療法
一般的に、受傷直後はRICEに則った処置を行い、症状がおちついてからリハビリテーションを開始します。
治療には薬物を使うこともあり、器具を使う電気刺激や温熱療法などもあります。
素人が「安静だけで済む」と思い込むのは妥当ではありません。
痛みがなくなった場合でも再発しやすく、最後まで十分に治療することが大事です。
スポーツ再開までには、軽症でも数週間、重症では数か月間を要します。
椎間板ヘルニア
椎間板の一部が正常の椎間腔を超えて突出した状態のことです。
原因
椎間板ヘルニアの患部となる椎骨は背骨を形成している部品の一部であり、めったなことではヘルニアを発症しないようになっています。
しかし、老化などで骨や筋肉が弱くなると椎骨と椎骨の間にある組織が上半身の重さで潰されて、中にある椎間板が背中側にはみ出してしまい椎間板ヘルニアが発生します。
スポーツ障害としての椎間板ヘルニアは、テニスやゴルフなどの強い腰の捻りを頻繁に行うスポーツで起こりやすいと言われています。
治療法
椎間板ヘルニアは、自然治癒する場合が多く保存療法で治療するケースが大半を占めています。
しかし、症状が重い場合は外科手術などで治療する必要があるため一概には言えなません。
しかし多くの場合周囲の筋肉、関節の牽引治療を行い状態を安定させれば自然治癒してゆきます。
特に重要なのはウォーキングや水泳など軽い運動を行うこと。
継続的な運動習慣は慢性症状を軽減させます。
捻挫
関節に関節の許容範囲を超えた動きが与えられた為におきる損傷ことです。
原因
捻挫は、手首や足首などの関節に過度に強い力が掛ったり、関節が限界以上に捻られたり、曲げられたりしたことによって靱帯が損傷して発生します。
主に足を使うサッカー等が捻挫になりやすいといわれております。
治療法
RICE処置もI(アイシング)と安静以外は捻挫の回復を遅らせます。Rest(安静)は1~3週間ぐらいかかります。
compression(圧迫)とElevation(挙上)は循環障害を起こして後遺症の原因になる可能性が非常に高いので、しっかり安静にするのが一番の治療法です。
RICE処置とは?
外傷を受けた時の処置として、患部からの出血及び腫脹や疼痛を防ぐことを目的として、患肢や患部を安静(Rest) → 氷で冷却(Icing) → 弾性包帯やテーピングで圧迫(Compression) → 患肢を心臓より高くすること(Elevation)が基本です。
RICEはこれらの頭文字をとったものであり、外傷の緊急処置の基本となります。
内側上顆炎(野球肘)
投球動作を積み重ねることにより起こる肘の痛みのことを言います。
内側上顆炎は、通称野球肘といい、投球のフォームが決まっていない中、投球を続けた結果、 肘関節の筋肉や骨などに炎症が起き、痛みが起きる症状です。
投球する際、リリースのタイミングでスナップを利かせてボールを切る動作をする時に手首を曲げる筋肉を強く使いますが、その筋肉は、肘の内側から手首の先まで付いており、それを酷使することで、肘の内側にある筋肉に痛みが起きてしまいます。
その他、同様の症状にテニス肘・ゴルフ肘などがあります。
原因
原因としてフォーム(野球なら投球フォーム)に無理があることが考えられます。
フォームの欠点は人それぞれであるが、多くの場合投球のリリースの際に上体が開いていることにより、
肘が体から遠くを通り、肘にかかる負担を大きくしていることによる原因が一番多いです。
治療法
電気治療や温熱治療などがあります。また体の柔軟性を高めることによっても快方に向かうこともあります。
また一時的にキネシオテープを貼ることによって、痛みを和らげる方法もあります。
体の筋力アップをはかり、肘にかかる負担を和らげることも出来きます。
しかし、根本的な解決方法として、もっとも有効なものは投球フォームを改良することです。
テニス肘
過度のスイング動作で発生する、使いすぎ障害のことを言います。
原因
バックハンドストロークでボールを正確に捉えられず手首の力で対抗すると、
手関節の伸筋やその付着部位に負担がかかり、その結果筋の変性や骨膜の炎症などが発生することがおこります。
治療法
患部の安静がなによりも大切です。また、患部の冷却・サポーターの使用により患部の炎症を抑えることも大切です。
回復後は、技術を習得する、より適したラケットに変更するなどの再発防止策が望まれます。
打撲
打撲は転倒したりしてあざなどが出来ることです。
原因
打撲は別名を「打ち身」と言うように、身体を何かに強く打ちつけることで発生する症状です。
打ち付けられた部位は皮膚の下に通っている毛細血管が皮下出血をおこしてしまい、あざが残ります。
打撲で出来るあざの色は個人差があり、多くの場合は「青タン」と呼ばれるような青いあざになります。
打撲は、主にラグビーやサッカーなどの球技や格闘技等のコンタクトスポーツに多くみられます。
また、強い打撲では内出血がひどく起こり骨化性筋炎という筋肉に溜った血が骨化してしまう状態になり、手術を要することもあるので打撲だからといって軽くみないようにしてください。
治療法
まず冷やします。
皮膚に傷があった時は患部を洗った後、消毒してから冷やし、痛み、腫れが止まったら、温湿布などで温めます。
痛みが取れない場合は病院へ行く事をおすすめします。
頭を打った時は頭を高くして寝かせるといいです。
脱臼
頭を打った時は頭を高くして寝かせるといいです。
原因
脱臼は、相手の選手とぶつかり合うような激しいスポーツに多く見受けられます。
特に相手の関節を攻撃の起点とする柔道は脱臼との関係が深いと言えます。
柔道以外のスポーツではスキーやスノーボードやラグビーなど転倒により不意に大きな力が腕に加わるスポーツに多く見られます。
脱臼は他者とのぶつかり合いだけでなく、自分の力によって発生することがあるので覚えておくべきです。
治療法
脱臼は一刻も早く元に戻す事が大切であり、遅くとも8時間以内の整復が必要です。
あまり遅れると、全身麻酔の手術が必要となることもあります。
関節内の損傷状況により固定、リハビリテーション、加療が必要となります。
特に、靱帯などや周辺の筋肉損傷、骨折、神経組織を圧迫している場合もあるので、素人判断は禁物です。
ジャンパー膝
ジャンプ動作の多用により発生する、使いすぎ障害のことを言います。
原因
ジャンパー膝はその名の通りジャンプ動作の多用を原因として発症します。
ジャンプ動作は、飛び上がった瞬間と着地した瞬 間の二度にわたって膝に強い衝撃を与えます。
飛び上がった瞬間は自分の体重を持ち上げた分の衝撃が膝に負担が掛かりますが、着地した瞬間は自分の体重に重 力を加えた衝撃が膝に掛かります。
膝への強い衝撃を伴うジャンプ動作を繰り返すことで、膝を動かす腱の損傷を招き炎症の原因となります。
治療法
ジャンパー膝は放置しておくと腱の断裂を招いたり骨が前に凸出したりする為、出来るだけ早いうちに対処しておくのが大切です。
初期のジャンパー膝は、運動後のアイシングで痛みを抑えるように心がけてください。
ジャンパー膝の症状はジャンプ動作に伴って起こりますが、単に安静にするのは効果があまりありません。
治療と練習を並行的に行うことが重要です。
完全に痛みが消えてから復帰しようと考えると、時間がかかりすぎてしまいます。
その間に筋力は低下し、スポーツ能力も低下します。細かな症状を聞き、観察し繰り返し行うことで完治に向かいます。
突き指
指先に強く物が当たるなどして腱や関節、骨などを痛める怪我のことです。
原因
突き指は素手でボールを扱うことが多い球技に起こりやすいです。
具体的には、野球・バレーボール・バスケットボールなどですが場合によってはサッカーのゴールキーパーにもよく起こります。
これらのスポーツの共通点は、「ボールを指先で捉える機会が多いこと」、「倒れるなどして地面に指先をつける機会があること」などが原因としてあります。
特にヘッドスライディングで指先から滑り込む野球や、回転レシーブなどで指先を地面につけるバレーボールが突き指を起こしやすいスポーツと言われています。
そして、これらのスポーツは指先の使い方が試合の結果に大きくかかわってくる性質を持っているため、突き指が選手生命を左右することも充分にありえます。
治療法
突き指をした時はよく「突き指をした指を思いっきり引っ張れば治る」と言われているがこれはまったくの迷信です。
引っ張ることにより脱臼や神経損傷など余計悪化してしまうので大変危険な行為です。
突き指をした時は、患部を冷やして腫れを抑え、骨折や脱臼の可能性もあるので患部を固定してください。
シンスプリント
シンスプリント(頚骨疲労性骨膜炎)は、骨を覆っている骨膜が炎症を起こすことによる痛みのことを言います。
スネやふくらはぎの筋肉に負荷をかけると、骨に動けないほどの激しい痛みが出ます。
多くのケースで、ふくらはぎの筋肉がすねの骨を引っ張ることによって発生します。
外見では変化が見れらない人と、膨らんでしまっている人もいますが、根本的な症状は同じです。
原因
・悪いランニングフォーム
・足に合わない、クッション性のないシューズ
・コンクリートでの走り込みやトレーニング
・筋肉の酷使
・筋力不足、柔軟性不足
・扁平足、回内足
治療法
足を長期間休めることが第一です。休んでいる間はスイミングやエアロバイクを使ってコンディションをキープするのがベストです。
これは、長期間の休養によってコンディショニングができていない状態で練習を再開すると痛みが再発する恐れがあるためです。
やむを得ず休むことが出来ない場合、足を使った後は入念なストレッチをし、患部に15分ほどアイシングを施します。
10分程のアイスマッサージも効果的です。走り方の改良により快方に向かうこともあります。